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Better than Best. 最良を超えろ!それをめざす姿そのものが、前に踏み出す力。 Better than Best. 最良を超えろ!それをめざす姿そのものが、前に踏み出す力。

グローバル視点で考える異文化交流。

2019年7月17日、コミュニケーション・スキルを学ぶ特別講義が名古屋キャンパスで開催されました。テーマは、「異文化コミュニケーション」。今日のグローバルなビジネスシーンでは、自分とは異なる価値観を持つ人たちと協働する機会が多く、社会に出る前に他者との違いを理解する姿勢を身につけることが求められています。そこで今回は、豊田通商グループの総合人事サービス会社である豊通ヒューマンリソース株式会社人材開発部の藤井巧氏を講師にお迎えしました。社員研修講師の実績が豊富な藤井氏は、自身のアメリカ在住経験を生かしたグローバルな視点による講義を展開。2年生を中心とした参加学生たちが、異文化への理解を深めました。
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コミュニケーションを阻む3つの壁とは。

講義は、2名1組(一部は3名1組)となって対話するアクティブラーニング形式。講師の藤井氏は、異文化間のコミュニケーションを阻む壁として、①言語のテクニックによる壁、②文化の違いによる壁、②潜在的な心理による壁の3つを挙げ、この①~②を体験的に学ぶワークを中心にレクチャーを進めました。たとえば、「彼は携帯中毒です」という一文を英語で伝えるワーク。学生たちは知っている限りの英単語を使って相手に伝えようと試み、①の言語のテクニックな壁がお互いの理解を阻む状態を実体験しました。次に、「〇〇street」などのように通りの名前で住所を捉えるアメリカ人が日本で現在地を尋ねても、1丁目2丁目など区画を基準にした日本人の説明を理解できないことを表現した動画を鑑賞。英語で会話できたとしても、②の文化の違いによる壁によって意味が通じないケースがあることを学びました。特に顕著な結果を示したのは、「思いつくままに魚の絵を描く」ワークです。学生たちが描いた魚は、それぞれ異なる形と大きさになりました。しかし、すぐに「頭がすべて左向き」という共通点を発見したのです。食卓で魚のおかしらを左側に盛りつける日本ならではの習慣が知らず知らずの間に刷り込まれていることを実感。②の潜在的な心理による壁を理解しました。
講義の各セクションには、感想をまとめて意見交換する時間が設けられており、他者の考えを聞くことで多様な価値観を知る機会に。「自分の常識だけにとらわれていると、争いごとを引き起こしてしまう」などと、熱心に意見を交わす姿が見られました。
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信じて続けることが達成への道。

講義の終盤は、3つの壁を乗り越える方法について考える時間に。人は推論で他者の言動をジャッジしがちであること、相手に怒りを感じた場合は自分の常識にこだわり過ぎていないか、他人の世界観ではどのように見えているのか想像を巡らせることが必要であると解説する動画を題材に理解を進めました。藤井氏は、異文化コミュニケーションの第一歩は尻込みせずに対話することだと前置きし、「世界のビジネスシーンでは、ブロークンイングリッシュを使ったコミュニケーションが当たり前。英語に苦手意識を持たずにトライしてください」と学生たちを鼓舞。イチロー選手が前人未到の日米通算4367安打を達成した際のインタビュー動画などを例に挙げ、「無理だと人に笑われても、信じて続けることが達成への道」と訴えました。学生たちは、異文化に触れた際に自分の態度を選ぶ大切さを知るとともに、意見交換を通して他者の考え方に触れ、大いに刺激を受けたようです。講義終了後、大きな拍手で藤井氏へ感謝の気持ちを伝えていました。 ※2019年7月に取材した内容です。
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